Lifestyle

【30歳記念バースデーインタビュー】不器用だった20代の私が、30歳の私へ繋いでくれたもの

短期移住先のパリで迎えた、30歳という人生の節目。いつかくるだろうこの日の自分は想像していなかったけれど「行きたいところへ辿り着けて、よかったね」そんな自分への言葉が、自然とこぼれた。

20代最後に、これまでの軌跡をインタビューを通して振り返ってみました。

変化だらけの10年間

━━お誕生日、おめでとうございます!せーらさんにとって、30歳になるってどんな心境ですか?

せーら:20歳の時は、30歳の自分を想像できなかったし、年を重ねることで「挑戦できなくなることが増える」という恐怖感もあったけれど、今は良い意味でなんとも思っていないというか。周りの30代の方が自然体で、好きな暮らしを追求されている方を知っているからこそ、「30代に突入するのが楽しみだな」って思えてるかな。

 

━━それは大きな変化!きっとこの10年にいろんなことがあったと思いますが、特に印象に残っていることは何ですか?

せーら:どれか1つと言うのが難しいくらい、節目みたいなイベントが沢山あった10年だったなと思っていて。私が大学に入った19歳からを含めて振り返ると、上京、大学進学、インターン、就職、独立。パーソナルな部分だと、彼と付き合い始めたのもちょうど20歳くらい。その出会いとか経験がすごく大きかったなって思います。

そのなかでも転機だったなって思うのは、大学生時代に、インターンシップで働いたNEXTWEEKENDの村上萌さんとの出会いだったなって思っていて。

※NEXTWEEKENDでインターンしていた時の写真

せーら:大学に進学する前、田舎にいた時は「地元で公務員として働く生き方が安定」みたいな風潮があって。当時、家族からも「仕事は我慢してもらうお金だから」って言われていてたけれど、その頃からなんとなく「私にはその働き方、向いてないな」って違和感を感じていたんですよね。

萌さんと出会ったことで、理想の暮らしを体現している且つ、それをお仕事にしているし、クライアントさんもお客さんもみんなをハッピーにしているっていう生き方を目の当たりにして、こんな仕事もあるんだって衝撃的でした!

※社員さんの決起会に連れていってもらった時。生まれて初めて名刺をもらった時の写真

 

━━せーらさんの世界が広がった瞬間でもあったんですね。

 

※2016年インターンシップで毎週末イベントをして奮闘していた頃

 

せーら:そうそう!NEXTWEEKENDには、田舎にいたら、個人的には出会わなかったお仕事をされている方ばかりで(※東京では、様々な職種の方がいて、私はその時初めてイラストレーターというお仕事や、いろんな職業を知りました)。

好きを極めた先にある仕事や、それができる生き方があることが、大きく価値観が変わったきっかけになったし、私も楽しみながら誰かのためになることをしたいって思えたのもその時でしたね。

 

※地方自治体さんのイベントもたくさんしました。青春

 

「道に迷ったら苦しい方へ、と思っていた」

━━そんな理想とする生き方や働き方と出会ったのに、その世界へジョインするかと思いきや、サイバーエージェントという少し畑の違う場所への道を選ばれたのは意外でした!

せーら:確かに(笑)今思うと、20代前半は自分を叩き上げるというか、苦しいことを選択してこそ成長だ!みたいなマインドだったんですよね。なので、新卒も修行できるところ、という基準で選んでいました。

※新卒時代に仕事ができなくて凹んでいる様子🤣

━━自分に厳しい…。昔からそのマインドだったんですか?

せーら:比較的そうだったかも。それは、地元にいた時から、自分がその場にフィットしてる感覚がなくて、「ここじゃないところへ行くために成長しなきゃ」みたいな気持ちが強かったのかもしれない。居場所を見つけたいと必死でしたね。

当時は尊敬する祖父に認められたいとか、家族に認められたいとか他者承認欲求も強くて。20代前半は特に、成果が出にくく、認めてもらいにくい場所なのに、そこにこだわってエネルギーを注いで疲弊したり、「何者かにならないと」って焦っていたなぁって思います。

 

※努力が実り、オリジナルブランドを地元沖縄で取り扱っていただけることになった日

 

━━認められたいと思って、頑張っていたんですね。その考えが変わってきたなと感じたきっかけは?

せーら:2つあるかなと思っていて。1つめは、精神的な家族への依存に気づいたことから。

昔は、自分を評価したり、行動を決定する基準の一つに、家族に褒めてもらう、ということが強くなりすぎてた気がします。だから、就職先も、自分のできる範囲で、親や家族が安心するところ、納得するところ、という理由が1番大きかったです。

でも、誰かのためだと、いつか失敗した時に、誰かのせいにしてしまう。そのことに気づいてから、「本当に自分が納得する選択をしよう」と思うようになり、行動するようになってからの方がやはり自分の幸福度が高まった気がしますね。

 

━━もう1つは?

せーら:独立して自分らしい働き方が実現できたことかな。電話を使わないメールだけのクライアントさんとのやりとりだったりとか、自分が苦手なことをしなくてもちゃんと仕事として成り立って、心地良い関係性を築けるって、自分で体現できたことが大きかったかな。

 

※独立して好きを体験できるようになってきた頃

 

━━それまで「これは無理かもしれない」と思っていた生き方ができるようになったことで、「あえて苦しい道を選ばなくても良いんだ」と、自分に優しくなれたんですね。

 

怖さはあった。でも、やってみよう!と思えたのは…

 

━━せーらさんの発信を見ていると、本当に好きなことをコンテンツにして、人に喜ばれるお仕事をしているなぁと感じていて。独立する時、不安はなかったんですか?

せーら:不安はもちろんありましたね。そもそも私が独立したきっかけって「疲弊してまで会社にいるのは違うんじゃないか」とか「今の姿はなりたい自分じゃないな」って感じたからで。

 

起業した時「絶対に何億稼ぐぞ!」とか、めちゃくちゃ稼ぎたかったわけでもなければ「この社会問題を解決したい!」みたいな社会起業家みたいなことも考えてなかったんですよね。

 

最初は「自分しか稼げないから、睡眠時間も仕事に費やさねば!」みたいな不安から、目の前の数字に追われたり、逆に働きすぎてしまった時もあったり、不安はいっぱいありました。

 

※まだ自分自身を表現しきれず、黒髪ショート🤣

 

━━その怖さを乗り越えられたのは、なぜでしょう?

せーら:私は、どこかのタイミングで突然楽観的になる瞬間があって(笑)「ここまで来たら、もうやってみなきゃ分かんないし!」っていうマインドが共存してるからやってこれたところもあるかなと思います。

 

━━突然現れる楽観主義(笑)でも、その思い切りも確かに大事そう!

せーら:ね(笑)あとは、私はずっと”人生は有限である”ということを、人よりも比較的強く感じていて。高校3年生の時、母を乳がんで早くに亡くした経験から「限られた人生なら、いろんなことを気にしすぎず好きなことをやってみよう」って思っているんですよね。それは他の人より強く意識していることかもしれない。

※最近母の若い頃の写真を掘り出しました

 

 

せーら:例えば、イーロン・マスクになろうと思ったら話は別だけど、彼の様にならなくても、自分の納得のいくカタチで自分の望む生き方をするのは誰にだってできるはずだと思っていて。小さくても、その理想を叶えていくのは大事にしてきたなって思います。

 

━━文字通り”心身ともに”自分の理想の生き方を追い求め続けてきたせーらさんのお話からは、自分の「こうなりたい」を大事にし続けてきたんだろうなって感じます。

せーら:自分の価値観が明確になってきたのも、ここ最近かも。20代は自分自身を形成する時期だった感じがしていて。試行錯誤するなかで、気付けていなかった自分という存在に出逢ったり、挫折しながら、いつの間にかできていた固定概念を崩していって。かっこいい言葉を使ってみると「創造と破壊」。それを繰り返したという感じかなあ。

20代のわたしを支えてくれたもの

━━そんな20代のせーらさんを支えてくれたものって、何だったんでしょう?

せーら:うーん…なんだろうなぁ。ありのままの自分を肯定してくれた人の存在が大きかったかもしれない。特にパートナーとか、同じように起業して頑張っている友達の存在かな。

 

私は、大人になるまで友人関係がすごく苦手だったんですよね。学生時代は特に、大人数の輪からははぐれているタイプで、話の合う人がいなくて。成長しないと、もっと良くならないと、自分を認めてもらえないのではないかという不安はずっと抱えていました。

 

でも、パートナーと出会い、私のダメなところも、不器用で普通なら誤解されそうなところも、全肯定してくれて。そういう存在にひとりでも出会えると、ありのままの自分を受け入れられるようになるんだなあと思いましたね。

あと、今仲が良い友達って頻繁に会うわけじゃないけれど、みんなそれぞれの大きな目標とか夢に向かって頑張っていたり。でも、地に足ついて目の前のことに真剣に悩んでいる話だったり、すごく人間らしい一面があって。いつも、友達との何気ない一言に、私も頑張ろうって思わせてもらっているんですよね。

 

━━やっていることは違っても、悩みを分かち合ってくれる存在なんですね。

せーら:そうそう。それこそ、私がいつか、パリに住んでみたいな、って思っていた時、私よりも先に海外へ短期移住をしながら働く起業友だちの姿とか、世界中を旅しながら自分の理想の働き方を叶えている姿に刺激を受けていたり。

 

仕事の仕方ひとつをとっても、私は「市場的にこうした方が良いかも」ってというビジネス的な視点を優先してしまいがちだけど、「自分がそれは不得意だから、違う方法でやってみる」みたいな、そこに仕事をする上でも、第一に自分らしさ、自分が心地よくいることを大切にしている友人がいます。そういうことも、すごく影響を受けてるんだろうなって思います。

━━その人がその人の望んだものに挑戦していく姿に鼓舞されるというか、誰かの人生がせーらさんの勇気になっていた…?

せーら:確かに!そういった人との出会いが、自分の価値観を広げてくれて、理想に近づく大きなきっかけに繋がっていると思います。

いろんな人の人生に勇気づけられもしたし、こうなりたいと思う人がいたら、直接話を聞いて「私もこうなれるかも」って描いて行動していましたね。

この話をしてて思い出したのは、高校生の時も、私は田舎出身なので、あまり東京の大学に行くことが身近ではなかったんですが、東京の大学に通っている高校の先輩を見つけて来て、「お話聞かせてください!」って、お願いしてカフェでお茶したこともあって(笑)

当時から、物理的に沖縄と東京って離れているから遠い存在に感じてしまうんだろうなって思って、リアルに想像できるように話しを聞くように行動してたかも。

 

━━自分の「こうなりたい!」をキャッチする力だったり、そのために具体的にイメージできる人を見つけて会いに行く行動力は変わらないんですね。

せーら:たしかにたしかに!!

自分のなかに「こうがいい」って望んでいるものはあるから、人との出会いを通して、「できない」って無意識にあった固定概念に気付いて外していくことを繰り返してたなって思います。

大昔に比べるとだいぶ自分らしく暮らし、働くことができているはずだけど、それでも未だに固定概念があったなって思うことが見つかるんですよね。それが今は面白いというか、楽しいと思えてるのも大きな変化だったかも!

せーら:それこそ、先日パリでお会いしたYouTuberの方が、私の送りたい理想を叶えられている方で、最新のロールモデルになっていて。

それまでなんとなくモヤモヤしていた、「ビジネスを大きくすること=組織を大きくすること」という概念が、その方が自身に合うスタイルで成功されいてるお話を聞いて、必ずしも世の中の一般論に乗らなくても良いってことに気付かせてもらえたので、やっぱりこれからも自分の心地良さを目指し続けたいなって思っています。

 

━━いろんな理想を叶えている人との出会いや生き方を知って、自分も取り入れてきた。年々、軽やかになっているせーらさんだけど、30代ももっと軽やかになりそう!

 

行きたいところへ辿り着けた10年

━━20歳の頃のせーらさんが、今のせーらさんを見たらなんて思うだろう?

せーら:多分、「楽になって良かったね」って言うかも。上手くいかなかったこととかが印象に残る10代に比べて、もちろん20代も簡単ではなかったし、不器用でもあったなあ、と思う。だけど、それでもなりたい姿に近づけているから、意味のある10年だったなって思えてる。

 

迷いももちろんあったけど、結局今の私が着地しているところは、”自分のやりたいとか、好きを突き詰めた先に、私のやりたいこととみんなの知りたいことがマッチして行った感じ”なんですよね。

 

純粋に、発信がずっと好きでやってきていたし、そのおかげで出会いたい人に出会えるようにもなって。だから、自分も楽しいし、みんなにも楽しんでもらえるようになったのかなって思っていて。

 

━━それってまさに、インターンの時に感じた「理想の生き方」が叶っているじゃないですか!しかも、最近ではその純粋な「好き」なことと、好きなことをやるためにやってきた「得意」なこと。少しずつ「好き」なことの割合が増えてきているような気がしますが…?

せーら:するどい!(笑)この「好き」っていうものの熱量ってその気持ちが乗っている、「今しかできないこと」だと思うから、その気持ちを大事にしたいなと思っている。そうなれるように、今も変化している途中なんですよね。

 

せーら:30歳に具体的な想像はしてなかったけど、でも、これで良いよねって思えた。「よく頑張ったよね!」って感じかな!

━━そこには労う気持ちもあるけれど、今の自分を抱きしめてあげているような、そんな印象も感じました。30代のせーらさんは、どんな暮らしをしているんでしょうね?

せーら:20代とはちょっと変わってくるかなと思ってて。家庭を持ちたいなとも思っているから、仕事とのバランスが変わったりするんだろうなあ!予定は未定なんだけどね(笑)それも探求したいな!

 

あと、最近ますます「やっぱりパリに住むんだ!」(住み続けるんだ)って気持ちが強くなってるから、数年間はパリに住みたいなとも思ってるかな。良い意味で決まってないことも楽しめるようになった今だから、その時の自分の選択を大切にしたいなって思ってる。

あ~、30代がはじまる!(笑)ワクワク☺️

みなさま、30代のせーらもよろしくお願いします!

バースデーインタビューについて

バースデーインタビューとは


「人生の節目に、今の自分を抱きしめる時間を贈ろう。」1年に1度の節目の日に立ち止まり、大切にしてきたこと、積み重ねてきたものに気付くこと、ただそれだけで、今の自分を愛おしく思える。birthday interviewは、自分へ贈るギフトです。

バースデーインタビュー概要はこちら

 

インタビュアー


廣田彩乃/対話者/インタビュアー

幼稚園教諭として保育現場に約6年務めた後、ウエディング関連の写真会社にコミュニケーターとして転職。2021年、離婚を機に『温かい言葉は、前に進む勇気や自信になる』ことを実感し、言葉の仕事/インタビューライターをスタート。対話を通し、内にある見えない“想い“を言葉にすることで、今の感情を抱きしめ、自分の人生を愛でられる、そんな時間やきっかけををお届けしています。

Instagram

ABOUT ME
せーら
theday premium代表 セルフケアブランドtheday premium運営。働きすぎて心と体のバランスを崩したことを機に、ゆるっとマイペースに起業。子宮内膜症の手術を経験。心と身体がヘルシーで、自分らしく自立した暮らしをする人を増やすため発信。
公式LINE